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われわれ…が?」

 

ワタリガラスは答えた。

「海面を見るがよい。」

 

ワタリガラスから眼を離し、穏やかな海面を覗き込むと

そこに映し出されたものは、目の前にいるワタリガラスと似た

嘴(くちばし)のようだった。

以前、「実像・虚像」についての論議を知人と交わしたことがある。

しかし、これはあきらかに今の自分を映し出す鏡。
腕に黒く覆われた体毛は羽!?

でもまだ5本指が残っている…
思わず両手で嘴の根元から先端まで触ってみた。
「硬い・・・狼ではなかったのか!?」

 

 

ワタリガラスは答えた。

「人類をリセットさせるためのプロセスだ。」

 

一瞬、過去を振り返る。

洋服は黒中心。ウインドサーフィンに夢中になっていた頃は

風をつかむのが得意だった。

子供の頃、空を飛ぶ夢をよく見た記憶が、今でも刻み込まれている

…でも自分はその程度。


「まあよい、そんなことより時間がない。お前のその五本指が
翼に進化してしまう前に、
その曼珠沙華を大地に投げ込むのだ。」

「大地に!?」

「そうだ。わたしがこの水を一気に飲み込む。その瞬間に放て」

そういい残すと、ワタリガラスは背を向け飛び立った。

 

 

轟音が鳴り響いた。
無我夢中でポールにしがみついた。


やがて再び大地が姿を見せ、

このトーテムポールに登る前に下から見上げたときとは違い、

今はポールの足元まではっきりと見える。

しかしそこは緑のない、砂漠のような大地だった。
        
  つづく・・・次回最終章  20年5月5日(月)てんくうの滝

       

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